【レポート】ショパン国際ピアノ・コンクール入賞者記者会見

昨年10月にワルシャワで開催された第19回ショパン国際ピアノ・コンクールで入賞した若きピアニストたちが一堂に来日。1月22日の熊本公演を皮切りに2月3日まで日本全国7都市8公演、韓国・ソウル(一公演のみ)で開催される「入賞者ガラ・コンサート」を前に東京のポーランド大使館で来日記者会見が開催された。
会見には優勝者のエリック・ルーをはじめ、ケヴィン・チェン(第2位)、ワン・ズートン(第3位)、桑原志織(第4位)、ピォトル・アレクセヴィチ(第5位)、ヴィンセント・オン(第5位)の計6名が登壇した。
会見はポーランド広報文化センター所長 ウルシュラ・オスミツカ氏による挨拶でスタート。

続いて、今ツアーの主催者であるジャパン・アーツ代表取締役社長 二瓶純一氏より、ツアー概要とスポンサー企業への感謝の念が述べられた。
本ツアーにおける特筆すべき点として、「入賞者一人ひとりのソロ演奏のみならず、長年にわたってこの歴史と伝統あるコンクールを支えてきたワルシャワ・フィルハーモニーとの共演によるコンチェルト演奏も楽しめる」という点をアピール。昨年秋のコンクール会場での興奮が日本で再び実現することへの期待感と、若き才能たちのキャリアのスタート地点における大切なツアーをしっかりサポートしたいという意気込みが感じられた。

続いて、当コンクール主催者である国立フリデリク・ショパン研究所所長 アルトゥル・シュクレネル氏より、「日本における恒例の受賞者コンサート(ツアー)が、他の国では例を見ない大規模で充実した内容」であることに言及。
来年2027年のコンクール100周年の記念すべき年にあたり、10月3日から世界各地で開催される記念コンサートのスタート地点が東京であることにも触れ、「どれほど日本という国が世界のショパン・コミュニティにとって大切な存在」であるかについて熱い思いを述べた。

そして、最後にワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団総裁 ゾフィア・ゼンブジュスカ氏が登壇。
一世紀以上にもわたる楽団の長い歴史において、18回も当コンクールの本選という大切なステージで若き才能たちと共演し続けてきたことについて、かけがえのない喜びと責任の重みについて語った。

続いて、6名の入賞者と参加者による質疑応答。

まずは、「受賞後3カ月を経て見える世界は変わったか?」、「今後の出場者へのアドバイスは?」という二つの問いに対して、一人ずつが回答。


「私自身の人生を変えてくれたとともに、音楽的な世界観も変わりました」というエリック・ルーの回答を皮切りに、「これ程、要求度の高いコンクールを経験したことで、」よりいっそうショパンに近づくことができました(ケヴィン・チェン)」、「私の人生の中でターニングポイントとなったことは間違いありません(桑原)/(アレクセヴィチ)」、ヴィンセント・オンは、「アーティストであることがどんなに素晴らしく、そして、どれほど困難であるかを実感しています。なぜなら、ビジネスマインドや、時には研究者・学者並みの幅広い知識なども要求されることをこのコンクールが教えてくれました」と述べるなど、興味深い回答が続いた。

また二つ目の質問(アドバイス)については、
「期間中は音楽以外の要素も多々要求される中で自らの音楽を披露しなくてはいけない。つねに自分自身を見失わないよう精神を保ち続ける覚悟が必要」という内容の答えを同様に複数名が出していたのが印象的だった。アレクセヴィチの「自分自身に忠実であり、自分自身の音楽を信じ切ること。でないと個性は発揮されない。そしてショパンの音楽について細部に至るまでをしっかりと伝えようという心構えと熱意が大切」という地元ポーランド出身のピアニストらしい意見も興味深かった。

「最も好きなショパン作品とその理由は?」という質問に対しては、
「ルー: 〈幻想ポロネーズ〉/集大成の作品で、特に内省的な感情表現が素晴らしく、どの箇所も心に響く」、「ズートン:今日、明日演奏する曲が好き!だから、今日の答えはソナタ第二番!」、「桑原:〈バラード第4番〉/今の私が自然に音楽に没入して身を預けられる作品」、「オン:〈24の前奏曲〉/創造性にあふれており、ショパンの天才性を体現している。一生弾き続けても“これぞ!”という演奏はできないと思う程の作品」と、口々にショパンに対する畏敬や尊敬の念を語った。


当日、唯一の日本人登壇者であった桑原に対しては、今回のガラ・コンサートに込める思いと今後の目標についても問われ、
「受賞した悦び、そして仲間たちやファンの皆様に再会できた歓びを込めて演奏したい」と述べつつ、今後の目標としては、「まずは一つひとつの演奏会を大切にしていきたい」と答え、会場にあたたかなオーラを放っていたのが印象的だった。

取材・文:朝岡久美子
■桑原志織ピアノ・リサイタル
【大阪】5月7日(木)19:00開演 ザ・シンフォニーホール
主催:ザ・シンフォニーホール
https://www.symphonyhall.jp/event/2024137301/
【名古屋】5月25日(月)18:45開演 愛知県芸術劇場コンサートホール
主催:ジャパン・アーツ
【仙台】6月1日(月)19:00開演 日立システムズホール仙台コンサートホール
主催:仙台放送
【山形】6月2日(火)19:00開演 山形テルサホール
主催:仙台放送
【福岡】7月1日(水)19:00開演 アクロス福岡シンフォニーホール
主催:ジャパン・アーツ
【東京】9月9日(水)19:00開演 東京オペラシティ コンサートホール
主催:ジャパン・アーツ
【札幌】12月10日(木)19:00開演※詳細は後日発表
主催:ジャパン・アーツ
※詳細は後日、主催者WEBサイト等で発表予定
ニュースページはこちら ⇒ https://www.japanarts.co.jp/news/p9638/
■ヴィンセント・オン ピアノリサイタル
【東京】7月14日(火)19:00開演 東京オペラシティ コンサートホール
主催:ジャパン・アーツ
https://www.japanarts.co.jp/concert/p2211/
【大阪】7月16日(木)19:00開演 ザ・シンフォニーホール
主催:ジャパン・アーツ/ザ・シンフォニーホール
https://www.japanarts.co.jp/concert/p2211/
【名古屋】7月17日(金)19:00開演 電気文化会館
カワイコンサート2026 電気文化会館 開館40周年記念公演
主催:カワイ
【福岡】7月19日(日)14:00開演 FFGホール
カワイコンサート2026
主催:カワイ
※詳細は後日、主催者WEBサイト等で発表予定
ニュースページはこちら ⇒ https://www.japanarts.co.jp/news/p9623/
公演ページはこちら ⇒ https://www.japanarts.co.jp/concert/p2211/

